自分らしく

今日は一冊の本を紹介したいと思います。

 

<タイトル>
精神科医が伝えたい 「発達障がい」でもだいじょうぶ!: アスペルガー症候群・ADHD・うつ状態・引きこもり・家庭内暴力 (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2015/4/3

端谷 毅 (著)

 

 

 

この本を書かれている端谷先生は

谷口が昔からお世話になっている先生で、その先生の書かれた本があると知り、

読んでみたらとてもよい本だったので

みなさんにも紹介したくなり今回取り上げることにしました。

 

 

この本の表紙に書かれている

『あなたは、あなたのままでいい!困らなくなれば、それは「個性」です。』

 

まず、この言葉がすごくひっかかりました。

この言葉って私には、とても怖い言葉のような気がしたからです。

 

障害を「個性」だ、ということは間違いではないと思っていても

だからといって簡単に見過ごしていいものではないと感じているからです。

 

先生が、なぜこんな風に言い切れるのか答えを知りたい一心で読み進めていきました。

 

この本の中で先生はこんなことをおっしゃっています。

 

個性を活かして、自分が生きやすい人生を生きる。それは、発達障がいの人たちに限らず誰もが願うことであり、人生最大のテーマでしょう。しかし、発達障がいの人たちは先天的に「生きづらい状態」にあるために、それが少し難しくなっています。 
したがって、思春期のころから、慎重に、計画的に「どのように生きるか」を勉強し、自分も周囲もハッピーになれるような生活環境を意図的に作っていく必要があります。それができれば、発達障がいは病気ではなく、ただの「個性」で終わるのです。

 

先生は、障がいを「個性」だと素通りすればいいと言ってるわけではなく

「個性」にするためには、障がいを理解することが必要不可欠なんだと考えていることがわかりました。

 

そして、それは早期であればあるだけ良いし、

本人だけでなくご家族にも同じように思って貰わなければ始まらない。

と家族支援の大切さも言及されています。

 

適応できないことを無理に我慢させたり、克服させようとすることは、

親や教師、私たちのような支援者のエゴであり、価値観の押しつけでしかないのだなと痛感させられました。

 

本人が自由に生きる道を選べるように環境を整えてあげること、つらい環境から逃げさせてあげることができなければ

なにが起きるのかというと「二次障害」であるということが、何度もこの本には出てきます。

 

大人になってうつ病、ひきこもりなど様々トラブルを抱えてしまう方の中に

発達障がいが隠れているケースは少なくないと言われています。

つまり、うつ症状の原因は発達障がいからくる「生きづらさ」だったという、

うつは発達障がいの「二次障害」だったというケースが多々あるということです。

 

それならば、ひたすらにうつの治療をしていてもそれは根本的解決にならないということ。

臭いものに蓋をし続けていも、臭いものは臭くなくならないということ。

 

根本的な問題に目を向けなければ意味がない。

 

目の前の問題行動を咎め、やめさせようとするよりも、その原因を考えていくこと

そして、少しでもその辛さを軽くしてあげること

これはじゃんが一番大切だと思っていることの一つです。

 

 

ほかの人の人生と自分の人生を比べても仕方ありません。背伸びしないで、自分が生きていて楽しいと思える場で、良いところを活かすことができれば、いつか社会の方からすり寄ってきてくれるかもしれません、そうでなくても、自分がそこで幸せに生きられれば、それでいいのです。

 

そしてご両親には、子どもたちのそういう生き方を応援してほしいと思います。肩に力を入れて生きていくよりも、抜いて生きていくことの方が、むしろ難しいのかもしれません。がんばらなくても、ぜんぜんかまわないのです。

 

  

表紙のあの気になった言葉は

全ての人に送られた「がんばれ」ではない、エールなんだなとおもいました。

居心地の悪い場所で無理に頑張る必要はない。

自分を押し殺すことはない。

きちんと理解し、理解されることで楽しく生きられる。

だからこそ、臭いものから目をそらすな、と言われているとも感じました。

あなたがあなたらしく生きられるために。

 

 

 

今朝、たまたま見ていたテレビ番組の中で、タレントのりゅうちぇるさんが言っていました。

自分らしさを出したことで、自分の好きな仕事にもつけた、自分の運命のひとにも出会えた、自分らしく生きることでいまの幸せを得ることができた。
息子が自分と全然違う大人になっても構わない。そんな「息子らしさ」を受け止められる、やわらかい大人になりたい。

 

この本を読んで感じていた気持ちとリンクするところがあり、

すごく考えさせられ感動しました。

私も我が子をこんな風に考えて育てていくことができるだろうか・・

そうでありたいなと強く思いました。

 


ここで紹介した内容以外にも、医学的なお話や、ケースの紹介

また発達障がいやADHDに限らず、子育てにおいてのヒントもたくさんあったこの本。

決して難しくなく、とても読みやすい本です

皆さんも一度読んでみるとよいかもしれません。

 

他にもおすすめの本などあればぜひ教えてください☆

 

 

森川

2020年01月22日