じゃんの目指す発達支援

しばらくぶりの投稿です。

今回は「じゃんの目指す発達支援」という大きなテーマを掲げて(笑)

少しお話できたらなと思います。

 

現在のじゃんの支援スタイルについては、利用者のみなさんにもだいぶ浸透してきているなと感じています

しかしまだまだ“ただ楽しく遊べるところ”“好きなことばっかりできるところ”といった印象も強く、

療育や発達支援とは別の物のように理解されている方もいるのかなと思います。

また、新規利用者の皆様にも、じゃんが目指す発達支援について、あたらめてお伝えできればと思い今回はこのテーマにしました。

 

何度もお伝えしてきた通り

じゃんでは活動プログラムをこちらから提示することはなく、利用者本人さんの意思のもと活動を行っています。

その事に関しては、以前投稿した「好きなことばっかり」という記事の中に詳しく書かせてもらっています。

またそちらも読んでいただければと思います。

 

じゃんは、好きなことができてただ楽しい場所になるつもりはありません。

というのも、じゃんを利用する子の多くが自分の意思や思いを伝えることが苦手です。

苦手というと少し語弊があって、みんな自分なりの伝え方で一生懸命伝えてくれているのに

なかなか周りがそれをキャッチできないことが多いということなんだと思います。

 

支援者側のルールを聞いてくれる子の方が評価されがちかもしれませんが

自分の想いを伝えられなけば意味がないと思っています。

 

うまく伝わらないので、間違った方法を覚えたり、注目行動で伝えようとしてしまう可能性もあるし

伝えられないので癇癪になってしまうということも考えられます。

 

だからこそ、聞く練習より、伝えられる練習の方に力を入れています、

伝える、聞いてもらえる、この関係ができてこそ次の課題へと取り組めるのです。

聞いてもらえるから、聞こうという気持ちも芽生えてきます。

そこには信頼関係があるからです。

 

つまり言いたいことは言えた方が絶対いいのです。

 

そのためにじゃんでは

たくさんのおもちゃがあったり、ツールが用意されています。

ただ遊ぶためではなく、それを使ってコミュニケーションをとるためです。

動画を見たりするのもそのためです。

お菓子や昼食を選択制にしているのもそのためです。

 

日々の利用の限られた時間の中で

本人の意思いかにたくさん出せるのかが支援のポイントになっています。

 

 

わざわざ買い物練習や創作活動をスタッフが用意しなくても

本人が望めば実際に買い物に行けばいいのです。

工作をしたいと望めばスタッフと一緒に工作をすればいいのです。

 

具体的に事例をあげるとすれば

実際に、近くのコンビニやスーパーにお昼ご飯やお菓子を買いに行く子もいます。

1人で行ける子は一人で、スタッフの見守りが必要ならば一緒に。

結果、今の求められている買い物のルール(エコバック持参、マスク着用)を知ることができたり

お小遣いの中でどれだけ買えるのか、自分の頭を使って考えることができます。

 

外に行かずに、もっと日常から買い物体験をと

最近じゃんには駄菓子コーナーも設けています。

100円、50円などと金額を設定して自分で好きなお菓子を実際に選びお金を払って買って食べています。

 

普段の利用の送迎時に携帯電話から保護者へ「もうすぐ着きます」の連絡を

スタッフではなく本人ができるならば連絡してもらい、電話をする練習ができます。

それができれば、お買い物に行ったときに携帯電話を持参してもらい

困った時にスタッフに連絡をすることもできるようになるのです。

 

創作活動も同じです。

本人が作りたいものを工夫して製作してこそその子の作品になります。

それを、保護者の方にも共有したい!となれば作品をスマホで撮影をして

保護者に写真を送ったりもします。それを本人ができるようになれば、やりとりの幅がさらにひろがります。

 

言葉でのやりとりが難しい子や、おもちゃで遊ぶということが難しい子には

タブレットや動画の検索の場面でたくさんのやりとりの機会を得ることができます。

 

その子の持つ力を最大限に生かせるのが、動画の要求ならば

そのチャンスを逃さないで、動画の要求を出してもらってそれに応えることで関係性を築くことができます。

 

お金の計算、お買い物、連絡手段をもつことは大人になっても必須の力になります。

実際に体験をすることで、スタッフもその子の今の力や課題をすぐに知ることができます。

 

そういったことがまだ難しい場合は、その子の興味関心をいかに増やせるのかがその子の力に直結していきます。

 

こうやってその子その子にあった

最大限力を発揮できる環境を設定し、日々の利用の中の活動として取り組んでいるのが

じゃんの最大の特徴でもあり目指すべき発達支援方法です。

 

個に合った活動プログラムをという言葉はよく耳にしますが

まさにそれだと思いますし

だからこそ障がいの程度や違いにおいてお断りするケースは現在はありません。

 

 

ふと私が受験生だったころの塾の先生の言葉を思い出しました。

高校受験に向けて受験勉強をしていた時のことです。

私の実力では少し厳しいか、ぎりぎり合格できるかといった高校を目指していた私に

「できる問題を確実にとる。それが合格への一番の近道だよ」

と話してくれました。

難しい問題もクリアしなければ、難しい学校には合格できないと焦っていた私にとって

その言葉はその後の学習方法の一つの指針になりました。

 

はなから難しい問題には手を付けない。

できる問題のミスを確実になくす。

できそうな問題にチャレンジする余裕を作る。

 

これだけをひたすらに取り組みだして、成績も安定しましたし

実際に目標の学校へと合格することができました。

 

 

できないことができるようになることはとても嬉しいことです。

でも、もともとできることが発揮できなったら本当に悔しいと思います。

今持てる力を最大限に発揮すること

その為に環境を整え、心を整える。

 

それは今じゃんの目指す発達支援に近いものがあるなと思います。

 

今後も変わらずじゃんらしく頑張っていきますのでよろしくお願いします☆

 

森川

 

 

 

 

 

2021年06月18日